【公演レポート】狂言の世界

【公演レポート】狂言の世界

日 時

2018年12月9日(日)
14:00

会 場

大ホール

出 演

野村万作、野村萬斎 他

 

 

2018年12月9日(日)に「狂言の世界」公演があり、今年は開館40周年ということもあり、お囃子を含めた番組をお贈りしました。

 

 

狂言2018番組表.jpg

 

公演の前には、ここサンシティホール(越谷)でお馴染みの狂言の解説を、今年は野村萬斎氏に解説していただきました。野村萬斎氏のユーモアあふれる分かりやすい解説で、初めて観られる方・既に観られている方も、より狂言について理解ができ今回の番組に臨めたと思います。

 

P1300180.jpg

解説:野村萬斎氏

 

 

まず大鼓・小鼓・太鼓・笛による「素囃子」から始まり、今回は『高砂』という結婚式で良く謡われたおめでたい曲を演奏していただきました。

 

 

P1300200.jpg

素囃子:「高砂 八段之舞」

 

 

そして、「福の神」は、二人の男が毎年、大晦日恒例にしている福の神詣でへと出かけて神前に参拝し、年越しの豆をまいているところへ、明るい笑い声をあげて福の神が現れる、とてもなごやかな囲気の狂言です。(豆まきは元々大晦日の追という行事に由来したもので、在行なう分の日は旧の大晦日にあたります。)福の神は、「富貴」になりたいと熱心に参詣する男たちを幸せにしてやろうと思い現れ、神酒(みき)を所望したうえで、言うことは当たり前だけれど大事なことばかりを教えて笑って終わる、おめでたい曲でした

 

 

P1300211.jpg

番組:「福の神」

 

 

続いての「鬮罪人(くじざいにん)」は、 『武悪』『止動方角』と並び、怖い主人を描く狂言の「三主物」の一つに挙げられる曲です。祭の準備に浮き立つような雰囲気の中で、祭りの山車の相談をしますが、なかなか決まらずに太郎冠者の意見で地獄の様子を催すことになります。そこで配役を決めるために鬮を引くのですが、太郎冠者が鬼で主人が罪人に当たってしまい、その配役で稽古が始まり、鬼が罪人を責め立てる場面を演じることになります。そんなどんどん調子に乗っていく太郎冠者と、みるみる不機嫌になっていく主人の、絶妙なやりとりが面白い曲でした。

 

 

P1300242.jpg

番組:「鬮罪人(くじざいにん)」