No.452 サンシティ名画劇場「前科者」
人生につまずいた「前科者」たちを、寄り添うことで救えるのか―?罪を犯した者、非行のある者の更生や社会復帰を手助けする保護司・阿川(有村架純)が担当しているのは、殺人を犯した過去がある工藤(森田剛)。懸命に生きる彼を全力で支えていたが、保護観察終了前に悠然と姿を消した。そして、その矢先に連続殺傷事件が発生し、捜査線上に容疑者として浮上してしまう。置いて来た過去に再び向き合う工藤と、彼を信じてその更生に全力を注ぐ阿川。二人がたどり着いた先に見える希望とは―。緊迫のサスペンスのその先に深い感動が待つ本格社会派エンターテインメント。
日 時 |
2022年7月15日(金)
・
16日(土)
|
本編時間 |
2時間13分 |
会 場 |
小ホール |
出 演 |
|
料 金 |
全席自由(税込) |
●公式サイトURL https://zenkamono-movie.jp/
●公益財団法人越谷市施設管理公社
二つの仕事をかけ持つ阿川佳代、28歳。コンビニ勤務は至って平穏だが、もうひとつの務めは波乱に満ちていた。犯罪者の更生を助ける保護司という仕事で、国家公務員だがボランティアのため報酬は一切ない。それでも阿川は、次々と新たな問題を起こす前科者たちを、「あなたは崖っぷちにいます!」と厳しく叱り、「落ちたら助けられなくなります」と優しく励ます。「もっと自分の人生を楽しめば」と周りには言われるが、何があっても寄り添い続ける覚悟に一点の曇りもなかった。
そんな中、阿川は殺人を犯した工藤誠を担当することとなり、懸命に生きる彼を全力で支える。ところが、工藤は保護観察終了前の最後の面談に現れず、社員登用が決まっていた自動車修理工場からも忽然と姿を消す。折しも連続殺傷事件が発生、捜査線上に工藤が容疑者として浮かぶことで、これまで阿川が隠してきた過去や“保護司になった理由”が明かされていく。置いてきた過去に再び向き合う工藤、彼を信じてその更生に全力を注ぐ阿川。二人がたどりついた先に見える希望とは——?
阿川佳代には、『花束みたいな恋をした』『るろうに剣心 最終章The Final/The Beginning』という、2021年公開の大ヒット作2本で全く異なるキャラクターを演じ分けた有村架純。本作では、不器用なほどまっすぐで、お茶目なユーモアも発揮するが、実は過去の秘密を抱える多面的な阿川佳代を、様々な光を放つプリズムのように演じきった。工藤誠役には、『ヒメアノ〜ル』(16)で唯一無二の存在感を放ち絶賛された森田剛。主演を務めた舞台「金閣寺」がニューヨークのリンカーンセンター・フェスティバルで上演されるなど、舞台でもその魅力を存分に発揮している。国際的にも評価されている実力で、今回は険しい道を歩んで来た者の魂の慟哭を全身で表した。共演にも、2021年に公開された『ヤクザと家族 The Family』『東京リベンジャーズ』『きのう何食べた?』などの話題作に次々と出演している磯村勇斗をはじめ、若葉竜也、マキタスポーツ、石橋静河、北村有起哉、宇野祥平、リリー・フランキー、木村多江と、一人一人の魅力はもちろん、彼らの共演がどんな新しい世界観を創り出すのか、期待に胸躍るキャスティングが実現した。
原作は小学館「ビッグコミックオリジナル」にて2018年より連載中で、2019年にはさいとう・たかを賞の最終候補作品に選ばれた、香川まさひこ原作・月島冬二作画のコミック「前科者」。映画版に先駆けて、阿川佳代が保護司になったばかりの頃の物語が、TVドラマ版としてWOWOWで放送・配信、さらにはWOWOWオンデマンドとAmazon Prime Videoでも見逃し配信される。
監督は、劇場映画デビュー作『二重生活』(15)で、ウラジオストク国際映画祭最優秀監督賞、ニューヨーク・アジアン映画祭審査員特別賞を受賞した岸善幸。第2作となる『あゝ荒野』(17)では報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞、ブルーリボン賞などの作品賞を受賞、人間とは何かを問うヒューマンドラマの名手であり、今後の日本映画を担う存在として、その名が広く知られる。
なぜ、阿川は若くして保護司という仕事に人生を捧げるのか?なぜ工藤は社会復帰まであと一歩のところで姿を消したのか?真実が明かされた時、生きることの儚さと切なさ、強さと喜びが心に沁みわたる。罪を犯した工藤の未来に寄り添う阿川の言葉が、観る者の明日を温かく照らす感動の物語。
ふたつの仕事をかけ持つ阿川佳代、28歳。コンビニ勤務は至って平穏だが、もうひとつの務めは波乱に満ちていた。元受刑者の更生を助かる保護司という仕事で、国家公務員だがボランティアのため報酬は一切ない。それでも阿川は、次々と新たな問題を起こす前科者たちを、「あなたは崖っぷちにいます!」と厳しくしかり、「落ちたら助けられなくなります」と優しく励ます。「もっと自分の人生を楽しめば」と周りには言われるが、何があっても寄り添い続ける覚悟に一点の曇りもなかった。そんな中、阿川は殺人を犯した工藤誠を担当することに成り、懸命に生きる彼を全力で支える。ところが、工藤は、保護観察終了前の最後の面談に現れず、社員登用が決まっていた自動車修理工場からも悠然と姿を消す。折しも連続殺傷事件が発生、捜査線上に工藤が容疑者として浮かぶことで、これまで阿川が隠して来た過去や“保護司になった理由”が明かされていく。置いてきた過去に再び向き合う工藤、彼を信じてその更生に全力を注ぐ阿川。
保護司とは
保護司法・更生保護法に基づき、法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員で、犯罪や非行に陥った人の更生を任務とする。活動内容に応じて実費弁償金が支給されるが、給与は支給されず、民間のボランティアによって成り立っている。保護司法の第1条には、保護司の使命が次のように掲げられている。
「保護司は、社会奉仕の精神をもって、犯罪を犯した者の改善及び更生を助けるとともに、犯罪の予防のため世論の啓発に努め、もって地域社会の浄化をはかり、個人及び公共の福祉に寄与することを、その使命とする」。
監督・脚本・編集/岸善幸
出演/有村架純、森田剛、磯村勇斗、若葉竜也、マキタスポーツ、石橋静河、北村有起哉、宇野祥平、リリー・フランキー、木村多江 他
ツイート