No.415 サンシティ名画劇場「そらのレストラン」

No.415 サンシティ名画劇場「そらのレストラン」

実際にせたなで循環農業に取り組む自然派農民ユニット「やまの会」をモデルに、様々な食材を一つにまとめ包み込む「チーズ」と、その味わいのように濃厚な「仲間」の絆が描かれている。笑顔も、涙も、おいしいも、ひとつにとけあい分かち合う—。北海道・せたなの“海が見える牧場”。豊かな自然が育む、チーズと仲間の物語。今日も、みんなの「いただきます」が、しあわせに響きますように。

日 時

2019年6月21日(金) ・ 22日(土)
 10:00/14:00/18:30

本編時間

2時間6分

会 場

小ホール

出 演

料 金

1,000円
割引券持参800円

公式サイトURL https://sorares-movie.jp

公益財団法人越谷市施設管理公社


2019.6月①.jpg

 

 

lead1.png

 

 

フレッシュかつ心温まる視線で、“地域と人と食”を描いてきた《北海道映画》。第一作『しあわせのパン』は同爺湖を舞台に「パン」を分かち合う「夫婦」を、第二作『ぶどうのなみだ』では空知を舞台に「ワイン」の熟成と「家族」をテーマに、続く今回はシリーズ待望の第三作。実際にせたなで循環農業に取り組む自然派農民ユニット「やまの会」をモデルに、様々な食材を一つにまとめ包み込む「チーズ」と、その味わいのように濃厚な「仲間」の絆が描かれている。

 

主演は北海道生まれで、今や日本映画界を牽引するスターとなった大泉洋。共演には本上まなみ、岡田将生、マキタスポーツ、高橋努、石崎ひゅーい、眞島秀和、風吹ジュン、小日向文世など、個性的な実力派たちが揃いました。監督は、『神様のカルテ』シリーズで知られる俊英・深川栄洋。海と山を望む雄大な風景をバックに、滋味たっぷりの人間ドラマと新しいライフスタイルを、じっくりと切り取っています。

 

人は決して、一人では生きられない。笑顔と出会うたび、きっと人生はおいしくなるはず。「そらのレストラン」を訪れたとき、そんな大切な何かに気づくかもしれません。

 

 

 

2019.6月②.jpg

 

 

 

lead-1.png

 

 

 

今日も食卓に、明るい声が響く。ここは、道南・せたな町。海が見える牧場で酪農を営む亘理は、妻のこと絵、一人娘の潮莉としあわせな家族3人暮らし。“自然に寄り添った食”を追求する仲間たちに囲まれ、厳しくも美しい大地で楽しい日々を送っている。亘理の夢は、自分の牧場の牛乳で、この地でしか食べられないチーズを作ること。でも師匠のチーズ職人・大谷にはまだ追いつけず、落ち込んだり奮起したりの繰り返しだ。ある時、札幌から訪れた有名シェフ・朝田に自分たちの食材を激賞され、亘理は一つのアイデアを思いつく。それは、せたなの“おいしいもの”を広く届けるため、一日限定のレストランを開くことだった。だが、納得ゆくチーズが完成せず思い悩んでいたある日、突然大谷が倒れ・・・。

 

 

 

2019.6月③.jpg

 

 

 

lead-2.png

 

 

青々とした緑の続く広大な放牧地で、牛たちが草を食みながらゆったりと歩く。そんな長閑な風景は、北海道に暮らす私たちにとって、子どもの頃から何度も見てきた故郷の風景だ。「放牧」という酪農スタイルは、身近ではあるけれど、あたりまえのものではない。土地の広さと恵まれた自然環境、さらに酪農家の持つ牛への思いがあって、初めて実現するものなのだと思う。

 

牛舎で育てていた牛たちを、完全放牧するようになったのは2005年のこと。「牛たちに無理をかけずに育てたい」。2代目である村上信夫さんの代から家族で持ち続けていた思いは、それまでせたな町を離れていた健吾さんが戻ってきたタイミングで、実現することとなる。

 

健吾さんは、地元を離れていた間に学んだチーズ造りの経験を活かし、牧場のすぐ側に小さなチーズ工房「レプレラ」を建てた。大切に育てた牛たちから乳を搾り、その保存性を高めるためにチーズを造る。規模は広げず、全てを自分たちの牧場でできる範囲でやる。牛たちだけでなく、家族みんなが心身共に健康でいられるように。

 

牛たちが食べた草は、そのままミルクの味となり、チーズの味となる。「この土地で育つ草の味が、きちんと伝わるチーズを造りたい。元々の自然や草が良いから、ただそれを壊さないようにするだけです」と健吾さんは言う。春から秋に青草のみを食べて育った牛のミルクだけを使って造るという「カリンパ」を口に入れた途端、ふわっと柔らかい草の香りが広がった。余計なモノがひとつも入っていない、シンプルな味だ。「ミルクの味が、せたなの風土になる」と健吾さんは言う。放牧ミルクのチーズは、その土地の風土がまっすぐに反映されるものなのだ。

 

丘の上にある牧場からは海が見え、冷たく心地よい風が吹き抜ける。この場所で牧場が始まったことや、ここでチーズ造りをするようになったのは、村上さん家族にとって、あたりまえの選択だったのではないだろうか。自分が立つ土地を見つめ直し、自然の流れに身を置きながら、家族と生きる。その物語は、土と草と牛のつながりの中で、穏やかに続けていく。

 

 

 

2019.6月④.jpg

 

 

2019.6月⑤.jpg

 

 

監督・脚本/深川栄洋

 

出演/大泉洋、本上まなみ、岡田将生、マキタスポーツ、高橋努、石崎ひゅーい、眞島秀和、安藤玉恵、庄野凛、鈴井貴之、風吹ジュン、小日向文世 他

 

 

 

割引6月.jpg