No.393 サンシティ名画劇場「未来を花束にして」
一人の平凡な母親が参政権の運動の中に見出したものー。それは未来への“希望”だった。運命をも自らの手で変えてゆくー。これは事実に基づいた、勇気ある女性の物語。
日 時 |
2017年8月25日(金)
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26日(土)
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本編時間 |
1時間46分 |
会 場 |
小ホール |
出 演 |
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料 金 |
1,000円 |
●公式サイトURL http://mirai-hanataba.com/index.php
●公益財団法人越谷市施設管理公社
女性には投票権も親権さえも認められていなかった1912年のイギリス。ロンドンでは女性による参政権運動が先鋭化されていた。原題の「Suffragette」とは、女性参政権論者(Suffragist)の中でも過激な活動家を示す。そのカリスマ的リーダーであるエメリン・パンクハーストは、平和的な抗議が黙殺される現状に“言葉よりも行動を”と呼びかけた。—実話を基にした本作は、階級の垣根なく結束し、権利を求めて立ち上がった女性たちを描き出す感動作だ。誰しもの心を揺さぶる、現代もこれからの百年も語り継がれるべき物語である。
主人公は、夫と息子の3人で慎ましく暮らす、洗濯工場勤めのモード。7歳から過酷な労働に従事している彼女にある時、生まれて初めて疑問が生じる。“別の生き方があるのではないか?”と。愛する我が子には自分とは異なる人生を歩んでほしい。その一心で声を上げ、やがて凛々しく変貌してゆくモードを若手演技派の筆頭キャリー・マリガンが演じている。実在の人物パンクハーストにはメリル・ストリープが扮し、圧倒的な存在感を放つ。
1912年、ロンドン。劣悪な環境の洗濯工場で働くモードは、同じ職場の夫とサニーと幼い息子のジョージの3人で暮らしている。ある日洗濯物を届ける途中でモードが、洋品店のショーウィンドウを覗き込んでいると、いきなりガラスに石が投げ込まれる。女性参政権運動を展開するWSPU(女性社会政治同盟)の“行動”の現場にぶつかったのだ。それが彼女と“サフラジェット”との出会いだった。
同じ頃、女性参政権運動への取り締まりが強化され、アイルランドでテロ対策に辣腕をふるったスティード警部が赴任してくる。彼は歴史上初となるカメラによる市民監視システムを導入し、無関係だったモードもターゲットの1人として認識されてしまう。
やがてモードに大きな転機が訪れる。下院の公聴会で証言をすることになったのだ。工場での待遇や身の上を語る経験を通して、初めて彼女は、“違う生き方を望んでいる自分”を発見する。けれども法律改正の願いは届かず、デモに参加した大勢の女性が警官に殴打され、逮捕された。そんな彼女たちを励ましたのが、WSPUのカリスマ的リーダーであるエメリン・パンクハーストの演説だった—。
本作の舞台からおよそ百年後の2016年。5月に台湾での初の女性総統が誕生し、8月には小池百合子東京都知事が就任。アメリカでは、女性初の大統領を目指すヒラリー・クリントンが“ガラスの天上”を打ち破ろうとしている*。
選挙権が18歳以上に引き下げられた日本では初の参院選が実施された通り、私たちが当たり前の権利として享受する”一票“は、世界中に存在したであろうモードのような“名もなき花”の勇気ある行動によってもたらされたと言えよう。緑=希望、白=清らかさ、紫=尊敬・・・・・シンボルカラーの花束を旨に凛として咲き誇った女性たち。その花束を今を生きる私たちすべてに受け継がれた、過去からのかけがえのない贈り物なのだ。(「*」は平成28年10月現在)
監督/サラ・ガヴロン
脚本/アビ・モーガン『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』
出演/キャリー・マリガン『華麗なるギャツビー』、ヘレナ・ボナム=カーター『アリス・イン・ワンダーラド』、ベン・ウィショー『007 スペクター』、メリル・ストリープ『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』 他
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